最高裁判所第三小法廷 昭和25(オ)130 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告人の上告理由は、末尾に添えた書面記載のごとくであつて、これに対する当
裁判所の判断は次のとおりである。
論旨第一点について。
訴をもつて主張する原告の請求が理由あるか否かは、事実審の口頭弁論終結当時
を標準として判断すべきことは言うまでもない。原審の認定によれば、本件家屋の
賃貸人たる別府市が転借人たる上告人に対し「D院大分県支部は解散になつて本件
家屋を市に返還したから明渡して貰いたい」との通告(解約の申入)をしたのは、
昭和二三年六月頃である。そして、原審の口頭弁論終結が昭和二五年三月一日であ
ることは記録上明らかであるから右弁論の終結は前記通告後六月以上の期間を経過
していること明白である。それゆえ本件家屋の明渡は借家法第三条によつても請求
し得るものであるから論旨は理由がない。論旨第二点について。
被告人は、D院九州本部の代理人として本訴を提起したものではなく、被上告人
自身の名において本訴を提起していることは本件訴状に照らし明白である。そして、
原審も被上告人がD院九州本部の用に当てるため被上告人自身が別府市から本件家
屋を賃借した事実を認定しているのであつて、これによれば本件家屋の賃借人は法
律上被上告人であり、D院九州本部でないこと明らかである。されば、被上告人が
D院九州本部の代理人としての資格に基き本訴を提起していることを前提とする論
旨は全く理由がない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致した意見によ
り主文のとおり判決する。
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最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎
裁判官 井 上 登
裁判官 島 保
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